これは皮肉で言っているのではありません。結果的にとはいえ本当の事です。現在日本銀行は莫大な評価益を抱えているはずです。(筆者の推測ですが、当たらずも遠からずな感じなはずです。)最近のNHKの報道では日本銀行のETFの時価総額は74兆円だそうです。(ネット調べNHKの出典はこちら)
日本銀行が株式市場の禁じ手を使った経緯
日本銀行が日本株ETFの買取を始めたのは2010年10月からです。その後黒田日銀総裁の時に有名な黒田バズーカでどんどん日本株ETFと日本国債を買い続けました。その大規模な買いは日経平均が4万円近くになる今年3月まで続きました。さすがに日経平均が4万円越えになると日本銀行の買いはストップしました。日本銀行が日本株ETFを買う決断をしたきっかけはリーマンショック後の景気回復局面だったからだそうです。(出典NHKWEBより)
確かにあの頃はリーマンショック不況が日本を襲い、有名な屋台村が東京の有名公園に出来るほどの事態でした。余談ですがこの頃は就職氷河期と言われたはずです。不幸な(運が悪い)就職世代です。
日本銀行は(日本政府は)この事態を脱出するためにまたもや禁じ手を使いました。またもやと言うのは過去にも昭和39年の証券不況の時にだぶついた日本株を買い取る日本共同証券への日本銀行の融資を決めました。西暦1992年のPKO政策(プライスキープオペレーション)の時に銀行や証券会社の不良債権処理のために一時的にそれらの金融機関が保有する日本株を肩代わりして買い取りました。すべて不況を脱出するための苦肉の策でした。
この救済策は当時は「日本市場の価格形成を歪める」「大事な税金を博打みたいなリスクがある株式購入に使うな!!」と国民、マスコミ、野党、市場関係者から言われ日本政府は袋叩きに会いましたが切羽詰まった日本政府は「背に腹は代えられぬ」と日本株買取を決行しました。(証券不況の時は筆者が3歳だったので知りませんが、歴史は繰り返すで同じ様に袋叩きにあった事は想像できます)
国民、マスコミが「株なんて損するから買うな!!」と言う時買えば良い気がしてきました。その理屈から言えば現在は国民やマスコミが「日本株を買おう」キャンペーン中ですので、もしかしたら危険な黄信号が点灯している最中かもしれません。
日本政府と日本銀行は苦し紛れの策が大当たりしている歴史
不思議なものです。日本政府や日本銀行の日本株買取は結果的には大成功しています。昭和39-40年の証券不況で田中角栄大蔵大臣の時に決行した、山一證券への日銀特融と日本共同証券の資金難での日本銀行の融資(間接的な株式買取と銀行への直接の指導です。)、西暦1992年のPKO、今回の日銀の日本株ETFの莫大な買い。特に証券不況の時の日本共同証券は大儲けして解散したと聞いた事があります。(筆者の昔の記憶です。)今回の日本銀行が保有している莫大な日本株を、うまく売る事が出来れば日本政府はたんまり儲けられます。
答え 株価が投げ売り状態の時買ったから
何故日本政府と日本銀行はこんなに株式投資が上手いのでしょうか?その答えは日本政府と日本銀行が買いたくないのに大変な不況を脱出するために「背に腹は代えられぬ」との政策で日本株を買わざるをえなかったから買ったからです。不況で誰も買い手がいない状態で幸運にも最後の買い手になり底値で買えることになりました。不況の時にいやいやでも買えば株価が安いのでその後景気が回復すれば株価が上がり儲かる良い例を見させてもらいました。日本政府と日本銀行を見習いたいと思いました。
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