つるはしモデルとは昔アメリカのゴールドラッシュの時、アメリカ各地から金山に一発当てたい山師がたくさん集合しました。でもそのほとんどの人々は破産して寂しく去りました。ゴールドラッシュで儲かったのは皮肉にも一発当てたくて金を掘りに来た当事者の山師ではなくて、周辺のその多くの山師たちにつるはしやロープなどの道具や、ジーンズという作業服を売った業者でした。
ソロ、キャンプブーム
現代の日本にも最近ゴールドラッシュつるはしモデルが起こりました。コロナ自粛の時に有名タレントたちがソロキャンプをしている動画をアップしてテレビから引っ張りだこになり1大ソロキャンプブームが起きました。元々キャンプは子供連れがキャンプ場に行くくらいの地味な趣味でしたので、誰もテントやキャンプ専門の調理用品などを持っていませんでした。
それがコロナ自粛下で急激なソロキャンプブームが起きました。その結果キャンプ用品を我先にと利益が多い新品で買いました。喜んだのは製品とノウハウがあるキャンプなどを扱っているアウトドア専門企業です。儲かって儲かって仕方ありませんでした。関連メーカーは急激な需要に追い付かずに24時間体制で増産したはずです。
夏草や兵どもが夢のあと
コロナが明けると普段の生活パターンに戻るのと同時に、ソロキャンプタレントはどこかに行ったのかテレビから消えました。ソロキャンプブームはすでに終焉していました。残っているのは自宅の倉庫のキャンプ用品だけです。つるはしモデルの典型ですね。株式市場ではコロナ下の時にアウトドアメーカーの株価が急激に上昇して株価が4倍になりましたが、現在はコロナ前の株価に見事に戻っています。
「夏草や兵どもが夢のあと」筆者には株式市場の「キャンプブームのババ抜きゲーム」の結果、損失を抱えた兵どもが見えます。「売り抜けた投資家はおめでとう」という感じです。一時的なブームでのババ抜きゲームは定期的に株式市場に出現します。健全な個人投資家はこんな取引は避けたいものです。
今はメルカリなどの中古売買が流行っているので、キャンプ用品は投げ売りで自宅の倉庫から中古屋さんに移っているのでしょうか。
本来の必要な需要ではなかった結果です
最近の報道では、キャンプ用品が全く売れなくなった結果アウトドアメーカーの売り上げが激減したというか元に戻ったそうです。
今回のキャンプの需要は本来の人間に必要な需要ではなかったのです。(株式投資の運転教本基礎編パート1第3章人間が絶対必要としているサービスのトップ企業を買うを参照)ソロキャンプは単なる流行りで終わりメジャーな趣味になれなかった結果です。企業を買う時は「これは本当に人間に必要なサービスか?」とよく考える事です。筆者はテーマでは投資しませんでした。
レジャー関係銘柄は難しい
レジャーや娯楽は国民の所得が上がり豊かになるとレジャーに回せるお金が出来て市場が爆発的に大きくなります。レジャー娯楽産業関係の売り上げは国民の所得レベルに左右されます。レジャーに回せるお金は旦那様や奥様のボーナスと連動しますので好不況をもろに受ける業種です。コロナ下でキャンプがブームになったのも飲み会や旅行に行けなくなり、お金が余ったのにも原因があります。人と接触せずに遊べるにはキャンプや自宅でネットフリックスを見るくらいしかありませんものね。コロナが収束して外に出られる環境になったら元の木阿弥に戻って今までのレジャー娯楽が見事に復活しました。
レジャーや娯楽は100%「人間が必要としているサービス」に間違いありません。レジャーや娯楽は人類が生存している限り消滅しません。でも消費者が刺激がある新しい娯楽を常に求めていて、収入が減ると真っ先に削られる分野ですのでレジャー関係銘柄はとても難しい分野です。
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