昭和50年代以前に岡部寛之氏という伝説の投資家がいました。筆者が岡部寛之氏を知ったきっかけが「株の極意」という本を高校生の時に本屋さんで買ったのがきっかけでした。今見返すとその本には昭和53年初版1刷530円と書いてありました。その人気から一時期、岡部寛之氏の古本は中古本市場で高値で取引されたと聞いた事があります。
カリスマ投資家 岡部寛之氏
岡部寛之氏はこの本が出版された昭和53年当時サラリーマンのカリスマ投資家としてかなりの本を出版しています。その後筆者は2006年に復刻版みたいな感じの本「大儲けの極意」を読みました。「大儲けの極意」の半分は相場の方法、半分は岡部寛之氏の人生を掲載していました。
「株の極意」はいろんな相場の格言を岡部寛之氏の考えや方法で解説する事で構成された本です。筆者はこの本が株式投資のテクニカル方法としては最高の本だと思っています。書かれた時代が古いので例題は古いですが、いつの時代も人間が取引しますので普遍的な内容です。中身は現代に充分通用します。筆者にとっては株式投資のバイブルで、今でもこの本の内容が筆者の投資方法の血となり肉となっています。面識はありませんが岡部寛之氏は筆者の師匠です。常に師匠に恥じない株式投資を実行したいと思っています。
「株の極意」を見た高校生から20代の頃の筆者は、この本の中身を見ても投資経験が浅かったので全く理解できませんでした。この本の一説に「わからなければ捨てておけ」と書いた項があります。「この本の内容がわからない部分があるのは経験が浅いのが原因で経験を積めば後でわかる時が来るから」という意味です。まさにそうでした。今ならこの本の内容の意味がすべて手に取るように分かります。筆者の40年にわたる投資経験も無駄ではなかったと思っています。まるで岡部寛之氏の株式投資資格試験に合格した感覚です。良い書籍は40年経っても色あせません。
株式投資のテクニックが満載
この本は一見格言を解説した本に見えますが、実際の中身は株式投資のテクニックを解説しています。さすが当時のカリスマ投資家が書いた本です。レベルが高いです。
経験に勝る財産は存在しません
いくら優秀な教科書や運転教本があったとしても実技という経験が必要です。それによって教科書や運転教本を見返す事で内容が身となり肉となります。この本を見返してよくそれが分かりました。人間経験した事がない事は他人に親切で言われても100年経ってもわかりません。人の痛みは分からないと言いますものね。
岡部寛之氏が現在に生き返ったら?
筆者は時々妄想します。それは「岡部寛之氏と竹田和平氏がもし生きていたなら?」です。
筆者の株式投資テクニックの師匠は岡部寛之氏、株式投資と商売の大きな考え方の師匠が竹田和平氏です。両師匠とも残念ながら現在は帰らぬ人になっています。でも筆者は常に株式投資を思考中には二人を生き返らせて筆者の決断した売買の許可をもらっています。筆者は霊媒師ではありませんので本当にに霊を降臨させている訳ではありません。筆者は時々この「株の極意」本と「竹田和平の強運学」本を読み返しているので、この2冊の本で売買をフイルターに掛けているという意味です。もちろん自書の「株式投資の運転教本」は忠実に守る売買を心掛けています。
作家としても優秀です
岡部寛之氏は生涯に株式投資や経済を中心に150冊の書籍を書きました。(そうです。ネット調べです。)彼の人生観を書いた本も多数書いています。本人もこの本の中で「本を書ける相場師は自分だけ」という意味の発言をしています。当時の常識からしてもアウトロー的で破天荒な人生だと回想しています。「素人投資家を出し抜く大儲けの極意」より。この投資論と破天荒な生き方から当時のサラリーマン投資家のカリスマだったのも充分納得の筆者です。氏と筆者は丁度入れ替わりの恰好で株式投資をしています。ぜひお会いしたかった方の一人です。
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