特定口座 個人投資家の税金の切り札

個人投資家が株式投資をしていると絶対お世話になっているであろう特定口座(源泉徴収あり)ですがとても便利で税制優遇できる素晴らしい口座です。後半では国民健康保険との関係も解説します。

特定口座 優遇税制と言っていいです。

日本政府は個人投資家を育てるために特定口座(源泉徴収あり)は優遇税制にしていると筆者は思っています。上場企業の株式取引の利益は、他の個人所得とは切り離している申告分離課税を採用しています。税率もいくら儲けても約20%で変わりません(国税地方税合算での税率です)。所得税のキツイ累進課税に比べれば特定口座(源泉徴収あり)は税金天国です。国がどんどん株式投資で儲けて下さいと言っているのと同じです。株式取引は儲けるためにやっているのですから、利益をいっぱい出したいですものね。税金を優遇していれば青天井で利益が出ても安心ですね。

国は個人投資家を税金面で優遇しないと法人成りする個人投資家が増えるのを恐れたのかもしれません。

特定口座 損益通算や損失繰越が可能

一番の大きな特典です

株式投資での損益通算とは、個人投資家が複数の証券会社で取引をしている場合、同じ年で片方の証券会社で利益が出て片方の証券会社で損失が出た場合2つの証券会社の損益を相殺できる制度です。それでも損失が出た場合3年間損失を繰り越せます。ただしこれは特定口座同士ではもちろん特定口座と投資信託でのペアでも適用されますが、特定口座と先物取引では適用されません。使っている証券会社が5社でも10社でも損益通算が可能です。ただし確定申告が必要です。現在はe-taxで気軽に申告できるので税務署や翌年2月からの確定申告会場へ行く必要がありません。税務署や行政もe-taxでの確定申告を推奨しています。

この制度は損失額が莫大な程重宝します。翌年から3年間の内では損失額の金額分の利益税金20%がかからないなんて凄いですよね。まるで株式投資で事業をしているかのような税制です。尚過去の利益にさかのぼって適用はできません。

株式投資の利益や配当金で国民健康保険が上がらないようにする

皆さん国民健康保険税問題をよく理解しましょう

これからは税金のはなしですのでちょっと難しくなりますが大事な話です。

国民健康保険の財政運営責任主体は国家ではなくて住んでいる県と地方自治体が運営しています。特定口座(源泉徴収あり)を利用すればいくら株式投資や配当金で莫大な利益が出たとしても国には所得が把握出来ても地元の自治体には個人の株式投資や配当の課税所得額の報告義務が無くて、個人が特定出来ず株式投資関係の収入増の金額が分からないので、他の課税所得のみで個人の国民保険料が算出されるので支払額が変わらないです。(株式取引や配当金の利益分の地方税を匿名?で天引きするため)これだけでもすごい優遇税制ですね。

確定申告をすれば地方税や国民健康保険税に影響する可能性がでます

ただし株式投資の結果を確定申告をすれば話が違ってきます。株式投資の損益を確定申告する事によって地元自治体に個人の株式投資や配当の利益額が解ってしまうので国民健康保険や場合によっては地方税に影響があるケースが出ます。この差は株式投資や配当の利益を確定申告をしたかどうかの差です。確定申告をすれば、今まで気が付かれなかった株式投資、配当関連の利益を地元自治体が個人を特定する事が出来るようになり個人の所得が把握されてしまう事です。

国民健康保険税などに課税される金額は、損益通算と3年前までの損失繰越額を相殺した後の今年の株式投資関係の課税所得が国民健康保険税に課税される仕組みです。詳しくは調べてください。特定口座(源泉徴収あり)を利用して仮に少しの損失だと割り切って確定申告をしない場合はこの国民健康保険問題は発生しません。

過去3年以内に莫大な損失を抱えてしまった結果、その後ちゃんと毎年確定申告をしている場合、損益通算や3年間の損失繰越を利用できて利益が出た場合確定申告により約20%の税金を節約できます。それに該当する人は安心してください。

<重要です>損益通算や3年間の繰越損失の特典を利用して今年度の株式取引の利益を相殺した結果、株式投資の課税額がゼロやマイナスの場合は、もちろん地元自治体に個人が特定されても課税されませんので来年度の国民健康保険料は変わりません。

問題は今年利益が出過ぎている場合です。これから確定申告をして今年や過去の損失と相殺した結果、株式投資関係の課税額が大幅に増える場合ですね。

一番良いのは一つの証券会社の特定口座(源泉徴収あり)を使い、その中で年間損益を相殺して利益を毎年コンスタントに出す事です。そして利益がいっぱい出る年は年末近くに損失を抱えた保有株を計算して利益分の損失をあえて売却して計上して、どうしても保有したい時は今年中に売却分を買い戻す事です。

詳しい事は自分で調べてください。

損失を平気で出せる点が安心感があります。

特定口座の大きな特典を利用して株式取引をすれば、小さな損失(大きな損失でも同じですが損失が大きかったら困ります)ならその後の利益と3年間は相殺できるのですから、筆者の場合損切りが楽にできるので大変楽です。思い切って損切りできます。

よく個人投資家が法人成りをして経費などを計上したいと思いますが、元々法人で事業をしているならともかく「個人の特定口座」からわざわざ法人成りをしてまでする事はあまりメリットがない気がします。それだけ「個人の特定口座」は法人成りよりメリットがある個人投資家が多い気がします。例外は莫大な株式利益が出るので奥様名義で給料をあげたいくらいかな。

株式投資で上場企業の3年間の繰越損失の特典を利用するためには、毎年の確定申告が必要です。途中の年で止めた場合その時点でこの特典が消滅しますので毎年の確定申告が必要なのです。(例外もあります)株式投資の確定申告では2年目からは前の年や過去の損失額や利益額の記入欄がありますので忘れないで金額をメモしておきましょう。

新NISAは非課税ですのでいくら利益が出ても国民健康保険料に影響ありません。

尚、2024年5月政府は何年かかけて現在のこの金融所得の不公平を是正すると公表しました。今後に注目です。

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